これは私の、私による、私のための物語である。
過去の自分の亡霊をそろそろ成仏させてあげたいので、アラフォーの今になって当時思っていても言えなかった事をここに吐き出します。
他人の過去になど1ミリも興味が無いという方はここで読むのをやめてください。
もう一度言います。
これは私の、私による、私のための物語である。
※物語という事でいつもとは口調を変えてます。悪しからず。
もくじ
A子
小学校の高学年から中学生まで、私はとある仲良しグループに属していた。
いつの間にやら仲良くなって、ほぼ毎日その友達と遊ぶようになっていた。
人数は私も含めて6人。
クラスの中でも目立つグループだった。
女子のグループには、必ずリーダー的存在の子がいる。
もちろん私達のグループにもいた。
私?
いやいや、その頃の私はリーダーとはかけ離れた存在だったもので。
そのグループでリーダー的立ち位置だったのはA子(仮名)。
勉強ができて、スポーツも万能、ピアノも上手く、いつもブランドの服を着ていたA子。
勉強も並、スポーツも並、エレクトーンは習っていたのに全然弾けない、ブランドでもなければそこまでオシャレでも無い服を着ていた私。
明らかな惨敗。
ただ一つだけ。
A子は決して可愛いとは言えないフェイスだった。
それだけが私がA子に勝てる唯一の要素だったのである。
本性
A子は転校生だった。
私の地元では転校生など珍しく、私たちは興味本位で積極的に話しかけに行ったのを覚えている。
やがてA子と仲良くなり、A子を含めた6人で毎日遊ぶようになった。
最初は皆、A子と遊ぶのを純粋に楽しんでいたはず。
けれども、その関係が徐々に変化していった。
A子は気が強く、なんでも思ったことをハッキリと口に出すタイプの子。
話が自分中心でないと気が済まず、自分と違う意見は許さない。
基本なんでもできてしまうので、自分より下と思った人に対して見下したような態度をとる。
改めてこう文字で並べると、なかなか強烈な性格の子だった。
対する私はどちらかと言うと誰とも衝突しないように自分の意見は通さず、とにかく楽しく平和に日々を過ごしていきたいだけの草食系・・・
と言うのは表面だけで、心の中では毒を吐きまくって舌打ちしてるような腹ドス黒系女子なのであった。
グループの他の子達も基本は平和主義で、我が強いタイプの子はいなかったように思う。
無視
そんなA子がだんだんとグループ内で本性を露わにしていったある日のこと。
A子の言う事に同意しなかったB美が、次の日からグループ内で無視されるようになったのだ。
そう、シカト。
もちろんそれをみんなに促したのはA子だ。
流れはこんな感じ。
A子「B美さー、ちょっと調子に乗ってない?」
みんな「え・・・うん、そうかも。」
A子「だよねー!じゃあさ、明日から無視ね」
みんな「え・・・あ、うん、そうだね」
まんまと流される皆々様。
私は何か言いたかったけれども何も言えず、なんとか無言でその場をやり過ごす事に。
だがそこで何も言えなかった自分にもの凄く腹が立った。
なぜなら、B美はグループの中で私が一番仲の良い子だったから。
B美はちっちゃくて可愛く、スポーツはできるけど頭がちょっと弱いような憎めないタイプの子だった。
私の家の近所に住んでいて、放課後にグループのみんなで遊び終わった後に2人だけで遊んだりもしていた。
バカな話ばかりだけど一緒にいて楽しいし、気をつかわずにいられる友達。
気に障るような事を言ってしまわないか、ビクビクしながら話さなければならないA子とはまるで逆だ。
前兆
実はその前の段階からなんとなく、A子がB美に対して何か敵対心のようなものを抱いているのを感じとっていた。
ある日B美がリンスを変えたと言った時、私は単純に「良い匂いだねー」と褒めたのだが、それが気に食わなかったのか「なんか匂いキツくない?ちゃんと流してないんじゃない?ねー?」とA子が言い放った事があった。
うわー・・・と思ったが、他のみんなは「うん、ちょっとキツイかも。もう少し流した方がいいかもよ」的な感じでB美に言っていた。。
嗚呼、恐ろしや。
私の鼻がおかしいのかと一瞬錯覚するほどの右にならえ具合だった。
他にも思い当たる事が。
元々短めの髪型だったB美が更にショートカットにしてきた時、私は単純に可愛いいと思ったので「お、似合うじゃん!」と言ったのだが、またまたそれが気に食わなかったのか「えー、絶対前の方が似合ってたよー!もったいな〜い!」とA子節。
まじで・・・おそロシア。
うん、この感情知ってる。
嫉妬。
「私より頭悪いくせに、運動も私の方ができるのに、ちょっと私より可愛いからってチヤホヤされてんじゃねえよ!」
って声がA子からテレパシーのように脳内にダイレクトに伝わってくる。
そんなA子の鬱憤が溜まっている状態の時に、タイミング悪くA子の言う事をきかなかったB美。
イラつくA子に対して、それに気がついていないのか気づかないフリをしているのか、変わらぬ態度のB美。
これはやばいな・・・と思っていたら、案の定A子からB美に対するシカト命令が。
その場で言えばいいものを、女子ってば陰険。
洗脳
そんなシカト命令が下された事を知らないB美。
いつもの通り、グループの子達に普通に話しかけてくる。
だがそこはA子の目がギラリと光る、学校と言う名の狩り場。
私を含め、B美がそこに存在しないかのように振る舞う女子達。
B美は最初キョトンとして「どうしたの?」と聞いてきたが、やがて無視されている事に気付いて悲しそうに席に戻っていった。
私はB美に対する申し訳なさと、なんとも言えないその空気に耐えられず、その日グループとは別の子と話したりしてやり過ごした。
学校ではA子からの圧力でB美に話しかけられなかった弱い私。
でもやはり気になってしまい、1人で先に帰ってしまったB美の家に学校帰りに寄った。
私「今日、無視しちゃってごめんね」
B美「なんでみんな私のこと無視するの!?」
B美は泣き出した。
私「A子にそう言われて・・・」
B美「言われただけで友達なのにどうして無視するの!」
B美の言う通りだ。
私は当時、友達だと思っていたA子に対して抱いていた感情がまさかの「恐怖」だとは思ってもいなかったので、B美の問いにはうまく答えられなかった。
私「明日A子に聞いてみよっか」
B美「・・・うん、ありがとう」
家に帰り、私はひとまず様子を伺いにグループでB美の次に仲の良かったCちゃんに電話をした。
私「B美のシカト、Cちゃんはどう思ってる?」
Cちゃん「・・・良くないと思うけど、B美も悪いところあると思う」
Cちゃんまじか!!!!
もしかしてみんなB美の事をそういう風に思っていたんすか!?
それとも私がB美の本性に気付いてないだけ!?
と、Cちゃんの言葉を聞いて若干パニックになった。
今思えば、これはA子による巧妙な洗脳だったのでは・・・。
その日はすごくモヤモヤしたまま眠りについた私。
謝罪
次の日も引き続き、私達のグループ内でB美のシカトが行われていた。
私は勇気を振り絞ってA子に話しかけた。
私「ねえ、なんでB美を無視するの?」
A子「えー、だってなんか調子に乗ってるしキモいじゃん」
私「でも友達だしさー、かわいそうじゃない?」
A子「なんで?B美が悪いからでしょ。謝ってこないし」
は?
謝ってこないし・・・?
なんでB美がA子に謝らなきゃいけないんだ。
そもそも何を謝ると言うんだ!
調子に乗ってごめんなさい、って?
A子に対して怒りが湧いたが、強く言えない私は
「そっかーそうだねーあはははー」
とヘラヘラしながら退散したのであった・・・
その日も学校帰りにB美の家に寄り、その事を伝えた。
B美「じゃあA子に謝ればいいの?」
グループからのシカトにもう耐えられない様子のB美。
私「・・・うん、多分」
謝る事に全く納得してはいなかったのだが、アホな私には他の解決方法が見当たらず、そう答えてしまったのだ。
そして次の日の放課後、結局B美は泣きながらグループのみんなに対して、しなくてもいい謝罪をした。
B美「A子ごめんね・・・」
A子「私は別にいいんだけど、みんな怒ってるから謝った方がいいよ」
B美「みんな、ほんとにごめんね・・・」
みんな「え・・・べ、別にいいよ」
いやまじクソだな、A子。
自分が命令した事なのに、謝ってきたらみんなのせいにする。
A子に強く言えない私もクソだが、A子はクソ中のクソだ。
今まで薄々感じていたA子に対する違和感。
それがこの一件で、ハッキリとした嫌悪感に変わった。
けれどもこれでもうA子の視線にビクビクしながらシカトしなくて済む・・・と安堵していた。
そう、翌日までは。